誰に売るかが決まっても、その市場に自分だけがいるわけじゃないです。周りに誰がいて、儲けをどこで削られるのか。ここが分かってないと、頑張っても手元に何も残りません。

儲けを持っていく5人。

5フォースといいます。既存の競争、新規参入、代替品、買い手の交渉力、売り手の交渉力。この5方向から利益が削られる、という見方です。せっかくなので、自分がいちばん金を落としてる業界で並べてみます。

5フォース ─ 国産デパコスから見た場合(わたしの見立て)。円を押すと中身が出ます

真ん中が「既存の競争」で、周りの4つから利益が吸われていく形です。矢印はぜんぶ中心を向いています。競合のSNSを毎日見張っても、見えるのは真ん中の円だけ。残りの4方向は、業界の外を見ないと分かりません。

その財布の引っ越し、SNS広告が起こしてます。

脱毛とかGLP-1(マンジャロなんかの名前で出てくるやつ)の広告、この数年で一気に増えましたよね。あれ、やり方としてはかなり際どいと思ってます。

編集部から一つだけ。GLP-1受容体作動薬は本来、糖尿病や肥満症の治療薬です。美容・ダイエット目的の適応外使用については関連学会から注意喚起が出ています。医療の広告にも医療法上のルールがあって、体験談やビフォーアフター写真の扱いには制限があります。ここで書いているのは広告手法の観察であって、施術や薬の推奨でも否定でもありません。

新規参入は、外から来るだけじゃない。

「今まで客じゃなかった人を客にする」のも参入です。男性向けのコスメ、明らかに増えましたよね。あれは市場そのものを広げにいってる動きです。

で、武器は3つしかないらしい。

ポーターという人の整理です。低コスト、差別化、集中。この3つ。

ポーターの3つの基本戦略。押すと中身が出ます

この3つは「何で戦うか」の話です。次に出てくるリーダーやニッチャーは「どの範囲で戦うか」の話なので、別の軸として掛け合わせます。

武器と、戦う範囲は別の軸。

リーダー、チャレンジャー、フォロワー、ニッチャー。これは「市場でどの立場にいるか」の話で、さっきの武器の下位分類ではないです。ここ、混ざって説明されてることが多い。

「武器」と「戦う範囲」は別の軸。掛け合わせて決める
低コスト安く作れる仕組み差別化高くても選ばれる理由広い市場で戦う狭い市場で戦う
広い市場 × 低コスト量で効かせる

大規模な日用品など。仕入れと物流を効率化して、価格そのものを武器にする。

例:リーダー × 低コスト構造
広い市場 × 差別化ブランドで効かせる

広く知られていて、かつ他と違うと思われている状態。維持に一番お金がかかる。

例:リーダー × 差別化
狭い市場 × 低コスト絞って安く

品種も客層も絞りきって、その範囲では誰にも負けない安さにする。

例:ニッチャー × コスト集中
狭い市場 × 差別化絞って深く

特定の人の特定の困りごとだけを、異常に深く解決する。中小企業が現実的に狙える場所。

例:ニッチャー × 差別化集中

よくある事故が、左上(量で効かせる)のやり方を、狭い市場の会社がそのまま真似することです。値段だけ下げても、安く作れる仕組みは付いてこないので、体力の差がそのまま出ます。

わたしの思う、化粧品メーカーの4つの立場。

ここからは完全に個人の見立てなので、話半分で読んでください。でも実名で並べたほうが絶対に分かりやすいので、やります。

市場地位の関係図 ─ 化粧品メーカーで並べた場合(わたしの見立て)。押すと中身が出ます
いまある市場
→ 枠ごと広げる
別の穴を掘る

リーダーが市場を広げ、チャレンジャーがそこを奪いにいき、フォロワーが安全に回収する。ニッチャーだけがその争いの外側に、別の穴を掘っています。この分類は公開情報から見た個人的な見立てで、各社が自社をそう定義しているわけではありません。どこまでを市場とみなすかでも立場は変わります。

あと「シェア40/30/20/10%」みたいな図をよく見ますけど、あれは説明用の仮の数字で、普遍的な比率ではないです。そのまま自社に当てはめないでください。

で、なんで似た顔になるのか。

ここまで来ると分かります。同じ市場で、同じ客を狙って、同じくらいの体力だと、合理的に考えた結果がだいたい同じ場所に着地するんですよ。

だから駅前のカフェも、百貨店の化粧品売り場も似てきます。手抜きじゃなくて、それが一番安全だからです。問題は、似た顔の中でどうやって思い出してもらうか。ここでブランドの話になります。

ブランドは、ロゴのことじゃない。

名前とか色とか形みたいな「目印」に、使った経験と他人の評判がくっついて積み上がった認識のこと。だから広告だけ綺麗にしても、問い合わせの返信が3日後なら、そっちが本体になります。

設計するもの具体的には
約束手順が少なくて、毎日続けられる
信じる根拠使い方、素材の説明、実績とその条件
目印固有の色、形、ロゴ、しゃべり方
思い出す場面疲れて帰った夜、贈り物を探す日
買った後分かりやすい案内、交換、返信の速さ
YOUR TURN / 仕事に置き換える

自社の代替品を、同業の外から三つ挙げる。「うちの客が、うちを買わなかった日に何に金を使ったか」で考えると出てきます。

身近な例と実務の提案は、本サイトによる説明用の仮説です。人物の発言は架空で、調査回答や利用者の証言ではありません。

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