カゴに入れた瞬間は、ちゃんと理由がありました。安くなってたとか、前から気になってたとか、そろそろ無くなるとか。なのに家に着くと、その理由が急に薄っぺらく見える。あれ、なんなんでしょうね。

気になったので調べました。結論から言うと、わたしたちが買っているのは商品じゃなくて、商品にくっついてる「別のもの」でした。

買っているのは、3つの価値らしいです。

マーケティングの教科書だと、商品の価値は3つに分けて説明されます。これがけっこう腑に落ちたので、まずここから。

価値わたしの場合仕事で言うと
機能的肌の手入れがラクになる性能、時短、使いやすさ
情緒的自分を大事にできてる感じ安心、楽しさ、自信
社会的美容好きの友達と話せる所属してる感じ、自分らしさ

「軽い」だけだと、まだ買う理由じゃない。

ここが一番の発見でした。商品の特徴って、そのままだと売り文句にならないんです。3段階、翻訳する必要がある。

同じ商品の同じ事実を、3回言い換えているだけ
STEP 1 ─ 特徴軽い(280g)
正直、何グラムって言われてもピンと来ないんですよ。数字だけ見せられて「へー」で終わる。
STEP 2 ─ 便益持ち運びがラク
これ言われると急に気になる。で、他のと見比べ始める。ここでやっと候補に入りました。
STEP 3 ─ 生活での意味出かけるのが億劫じゃなくなる
ここまで来ると、値段のことはだんだん後回しになっていきます。

言ってる中身は全部おなじ「280g」です。変わったのは、わたしの生活のどこに置いてくれたか。仕様表がSTEP 1で止まってる商品って、事実は完璧に書いてあるのに、なぜか一個も欲しくならないんですよね。

逆に、STEP 3だけ立派で中身がスカスカだと一回でバレます。「出かけるのが億劫じゃなくなる」で買ったのに、実際持ったら重かった、みたいな。そのときに残るのは「重かった」じゃなくて「騙された」なんですよね。だから二度と買いません。わたしはそう。

で、その商品に何を「代わりにやってほしい」の?

JTBDっていう考え方が出てきます。Jobs to Be Done。直訳すると「片づけるべき用事」。要するに、人はドリルが欲しいんじゃなくて穴が欲しい、ってやつです。

言葉意味よくある事故
セグメント似たニーズの人のかたまり年齢が同じだけで同じ人扱い
ペルソナ大事な客像を具体化する根拠なく趣味と性格を盛る
インサイト行動の裏にある本音の仮説思いつきを事実として扱う
JTBDその状況で何を片づけたいか結局、機能一覧に話が戻る

聞くなら「買いますか?」より「前回どうしました?」。

未来の話を聞くと、人はいい子ちゃんの答えを言います。「安いほうがいいです」って答えた人が、レジでは好きなブランドを選ぶ。わたしもやります。過去のことなら、まだ嘘をつきにくい。

きっかけ、何と比べたか、何で迷ったか、最後の決め手、使ったあとの感想。この順で聞く。買った人だけじゃなくて、買わなかった人と辞めた人にも聞く。むしろそっちが本番です。ただし数人が同じことを言ったからって「市場の8割がそう」にはできません。それはヒントであって、証拠じゃないので。

YOUR TURN / 仕事に置き換える

この前買ったものを一つ選んで、「いつ/どんな状況で/何を避けたくて/何を得たくて/買わなかったらどうしてた」を書き出す。恥ずかしいけど、これが一番効きます。

身近な例と実務の提案は、本サイトによる説明用の仮説です。人物の発言は架空で、調査回答や利用者の証言ではありません。

この章の出典・参考資料(3件)